WATCH FROM GERMANY 【第1回】独立時計師、ヨルク・シャウアー氏の手仕事

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【第1回】独立時計師、ヨルク・シャウアー氏の手仕事

ヨルク・シャウアー
こんにちは! TiCTAC USED+ です。
このコーナーでは、TiCTAC に馴染み深いドイツブランドの腕時計についてご紹介します。
第1回は、STOWA(ストーヴァ)やSCHAUER(シャウアー)のブランドオーナーである独立時計師、ヨルク・シャウアー氏についてご紹介します。
時計
時計作りに活きる、彫金師の経歴
シャウアー氏はフォルツハイムの学校で金細工を学びましたが、本当にやりたかった仕事は機械式時計の製造。しかし当時はまだ時計産業は斜陽状態であったため、まずはスペインに渡り、時計宝飾店で働くことに。さまざまな顧客が訪れる店舗で、デザインスタイルや客の好みを学び、1990 年にドイツでオーダーメイドの時計製作工房をスタートさせました。その頃から重視していたのが、学校で学んだ金属加工の技術を発揮できるケースとダイヤル。シャウアーの時計のアイコンである“12 本のビスを用いたベゼル”は、この時代に生まれました。

そして1995 年、自らの名を冠したシャウアーブランドがスタート。シャウアー氏にとって時計のケースは“作品”であり、「手作業が加わらなければ、情熱のこもった時計は作れない」という信念のもと、今でもケースを大切にしています。そのため工房の工作機械を使って、ステンレススチールの塊から丹念にケースを削りだし、ダイヤル・ブルースチールの針・ローターまでも手作業で加工しています。ここから先は、TiCTAC USED+ スタッフがドイツのシャウアー氏の工房を訪れた際に撮影させてもらった、作業の様子をご紹介します。
ケース・ベゼルの切削・研磨の様子
ケース・ベゼルの切削・研磨の様子。
旋盤にケースやベゼルを取り付け回転させ、ヤスリの目の荒いものから細かいものを順にかけ、最終的に滑らかになるよう研磨していきます。
また作業台は通常の机とは異なり、中央が半円状に欠けた形状をしています。これは、腕時計やジュエリーなど金属加工を専門とする職人の机に見られる特徴。半円の中央に先端が尖った棒を挿せるようになっており、加工する金属の支柱として作業します。手作業でもサンドペーパーを使用し、旋盤だけでは行き届かない細部まで、丹念に研磨していきます。
文字盤プリントの様子
文字盤プリントの様子。
現在では機械で印刷するタイプの文字盤が主流になるなか、高級腕時計など一部のブランドでは今でもこのように手作業で文字盤をプリントします。
インデックスが刻まれた金属板にインクを乗せ、お椀型のパッドを下げて金属板に押し当てます。パッドにインクを付けた状態で、文字盤に押し当て圧力をかけるとインクが乗るという凹版印刷と同じ原理を使用しています。シリコンやウレタンなど柔らかいパッドを使用することで、ムラなく均一にインクを乗せることができます。
りゅうずの仕上げと青焼きの様子
りゅうずの仕上げと青焼きの様子。
りゅうずのような細かい部品でも、ひとつずつ手作業で研磨していきます。
「青焼き」とは、時計の針やネジを熱する「焼入れ」の作業をおこなうことで、色が青に変化すること。青焼きを施した針のことを「青焼き針」「ブルースチール」などと呼びます。見た目の印象が美しいだけでなく、焼入れをすることでサビを防ぎ、針やネジの耐久性が上がる効果も。
一期一会のユーズドウォッチ。
今年、シャウアーブランドの既存モデルは生産終了が決定しました。腕時計一本一本に手作業を加えることで、その付加価値が光るブランドの休止に、嘆くファンの方も多いはず。今後手に入れることがより困難になるシャウアーブランドの腕時計。手作業を加え丁寧に腕時計を作っているからこそ、時を越え持ち主が変わっても受け継がれる価値があります。
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